© KATHERINE LU

STUDIO SPEC

複合オフィス(グラフィックデザイン、美容コンサルテーション)、デザイン学校
シドニー、オーストラリア
75㎡

PROJECT DESCRIPTION

グラフィックデザイン、美容コンサルテーション、デザイン学校という異業種が同じ屋根の下で共存できるオフィスが求められた。短い施工期間、限られた予算という制約は昨今のスタンダードであるが、今回はさらに、既存の空間がきれいな矩形ではなく、いびつな形状をしている。これだけ、制約が多いと何から手を付けていいのか、と悩んでいると、さらなるおまけがついてきた。共同経営者である夫婦の趣味•指向が全く正反対なのである。困った。

要望を単純化すると、部屋全体を求められた機能に応じて三分割するのが妥当かもしれない。趣味•指向の違いもそれぞれの部屋に閉じ込めてしまうと、それは問題にもならないのかもしれない。ただそれでは、あまりも相互の交わりがなく没個性的な空間になってしまう。それでいいのだろうか?

そこで敢えて、「これらの制約」と「対立する指向」をそのままデザインすることにしてみた。
夫婦の核となる事業である「グラフィックデザイン」と「美容コンサルテーション」業に、それぞれ事業規模に応じて家具で囲われた二つの箱形の空間を与え、歪な形状をした部屋に挿入することにした。そうすると、二つの箱といびつな形状をした部屋の間に第三の空間ができあがるゾーニング構成になり、その第三の空間は、デザイン学校と動線の役割を担う。さらに、それらの箱には「白」と「黒」という明度上対極する色を、夫婦の指向に応じて割り当てた。その第三の空間は「白」と「黒」の間に挟まれ「灰色」の役割を果たし、その対比を中和し、その違いを同時に強調する。

指向の違いや、形状のいびつさ、という個性を排除することなく、それぞれの対立や非合理性を許容し、共存を可能にする空間。そんな曖昧な枠組みで、多様性を内包するオフィスであってほしいと願っている。

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